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アスペルガー症候群の大人は攻撃的って本当?症状や要因、接し方について詳細解説

2021.10.22

病気・障害の特性

いつもコラムをご覧いただき、ありがとうございます。今回はアスペルガー症候群って攻撃的な人が多い、接することが難しいと感じている方に向けて

  • なぜアスペルガー症候群の方は攻撃的と捉えられてしまうのか?その特性と原因は?
  • 攻撃的だと感じた時に、アスペルガー症候群の方とどうやって接していけばいいのか?

をお答えしていきたいと思います。

アスペルガー症候群とは

知的発達や言語発達に関しての遅れは見られない、社会的なコミュニケーションに影響を与える発達障害(自閉症スペクトラム症)の一種です。男性に多いとされています。

表面的なコミュニケーションに関してはとることができ、学力的な問題も生じないため、大人になってから障害が発覚することも少なくありません。

障害特性についてはコミュニケーションの面以外にも

  • 興味や関心事の偏り
  • 日常生活のパターン化
  • 暗黙の了解やルールを理解できない
  • 空気を読むことが得意ではない
  • 冗談や皮肉が通じないことがある

などがあります。

過去にアスペルガー症候群についてまとめたブログがありますので、詳しく知りたいという方はチェックしてみてくださいね。

まとめたブログはこちら!

今回のブログでは「攻撃的だ」と思われやすいコミュニケーションの面で、どういった特徴があるのか重点的にお伝えしていきます。

アスペルガー症候群の人は攻撃的?

人間は誰しもが攻撃性を持ち合わせているため、アスペルガー症候群だから攻撃的ということではありません。しかし、発達障害の方は【怒りやすい傾向がある】と言われています。その原因として大きく3つあります。

脳の発達

発達障害の方は脳の「前頭葉」で一部の神経活動が低下している可能性が高いと言われています。前頭葉とは、注意・思考・感情のコントロールや物事を整理・処理・実行する機能を担っている脳の部位です。この神経活動が低下していることが原因で感情コントロールがうまくできずに怒りやすくなってしまいます。

脳の機能(ワーキングメモリー)

発達障害の方の多くは一般の人のワーキングメモリーよりも少ない状態とされています。ワーキングメモリーとは作業記憶と呼ばれており、一時的に記憶を保持した状態で同時に複数の事柄を処理していくためのものです。このワーキングメモリーは、心配事や不安なことがあるとすぐに容量がいっぱいになってしまいます。パソコンで考えてみると、たくさんのソフトやブラウザを開きすぎて重たい状態と同じことが人の中でも起きている状態です。そういった状態が続くとイライラしやすくなってしまいますよね。そのため、一般の人に比べてワーキングメモリーが少ない発達障害の方は【怒りっぽい】と思われてしまうようです。

本人の特性

「こだわりが強い」という特性を持ち合わせているアスペルガー症候群の方は

「自分の考えと違う」という理由から怒ってしまうことがあるようです。

また、この他にも怒りの原因として

  • 他者から認めてもらえない
  • 劣等感や虚しさ

などがあります。以上が原因となって、怒りっぽくなってしまい周囲の方から攻撃的と捉えられてしまうようです。

怒りに対しての対処方法は?

アンガーマネジメント

「怒り」を自分でマネジメントする方法です。アンガーログというものを用いて、自分の「怒りの癖」を見つけ、自分の「怒り」を客観視することができます。また、「怒り」の感情が湧いてきた際に6秒間待つということも効果的です。ただし、怒っている最中の6秒間は意外と長いので、お茶を飲む、トイレに立つという行動を挟むことで回避できるかもしれません。

運動

軽い運動を行うことで「セロトニン」や「エンドルフィン」というホルモンが分泌されます。これらには精神の安定や安心感、平常心、頭の回転をよくする、気分をよくする効果があります。継続的に運動をすることで「セロトニン」や「エンドルフィン」が安定的に供給されるようになるため、ストレスに強い心身をつくるためにも効果的とされています。

部屋を綺麗にする

部屋が汚いとイライラしやすくなると言われています

  • 物が多すぎるために視覚的な刺激が強い
  • 探し物がなかなか見つからない
  • 片付けなくちゃいけないという焦り

などが原因となって知らず知らずのうちにストレスになります。いきなりすべてを綺麗にしようとすると、それもまたストレスに変わってしまうため1日1か所だけ綺麗にすることから始めてみると良いかもしれません。

アスペルガー症候群の人が「攻撃的」と思われてしまうのは何故か

相手の気持ちや場面を想像することが苦手

アスペルガー症候群の特性の中に「想像性の欠如」「社交儀礼・暗黙の了解がわからない」などがあります。本人には悪気がなく、この表現をすると相手が傷つくかもしれないということを想像することが得意ではありません。また、オブラートに包むことなく思ったことをそのまま伝えて「攻撃的な人」「失礼な人」と思われてしまうようです。知らず知らずのうちに相手を怒らせてしまい、その理由が分からずに本人が困惑していることも少なくありません。

強いこだわりにより融通が利かない

本人の中に「こうであるべきだ」という強いこだわりを持っていることに対して、そこからずれた意見を受け入れることが難しい場合があります。先ほどの相手の気持ちや場面を想像することが苦手という特性と併合して、「それは違う」ということをストレートに伝えてしまいます。また「こうであるべき」「それは間違っている」と思ったことに対しては、本人の中で徹底的に追求しそれらをストレートに伝えようとする傾向があります。そういった言動が攻撃的だと捉えられるのかもしれません。

アスペルガー症候群の人の言動が攻撃的だと感じたら

自分が言動で傷ついていることを伝える

本人には悪気がなく「太ってますね」や「これ全然おいしくない」など感情のまま思ったことを伝えているケースもたくさんあります。そんなときは、まずは【今の言動で傷ついている】ということを伝えてみましょう。曖昧な表現を避け、何故傷ついているのかという理由を具体的に伝えるようにすることが大切です。その上で、具体的にどういった表現をすればよかったのかをセットで伝えることで納得するケースも多いです。

本人のこだわりを尊重する

これまでお伝えしてきた通り、アスペルガー症候群の方は自分の中でルールや決まりなどのこだわりを持っています。それらが崩れたときに攻撃的な言動を取ってしまう場合には、まずはその方のこだわりを確認するようにしましょう。

そして、そのこだわりを尊重できるのであれば

  • ルールを明確化する
  • イレギュラーが起きうる場面を明確に伝える

この2点を本人と共有することができれば、攻撃的な言動が減る可能性があります。

周囲の人は「カサンドラ症候群」に注意

カサンドラ症候群とは家族やパートナー、身近な人がアスペルガー症候群(ASD)でコミュニケーションがうまく取れず、情緒的な相互関係が持てなくなることから精神的・身体的に何らかの不調が起きている状態を指します。カサンドラ症候群は、病気ではないため、正式な疾患名もなく「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」と表現されることもあります。悪いのは自分をかもしれない、と自分を責めてしまう真面目な方がこういった状態に陥る可能性が高いです。何か不調を感じた際には、一人で悩みを抱え込まずに公的機関などのカウンセリングを利用しましょう。例えば、発達障害者支援センターでは、発達障害の当事者だけではなくその家族に助言等を行っています。病院に行くのは少し気が引けるという方は一度こちらで相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ