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大人のアスペルガー症候群ってどんな特徴があるの?

2018.11.21

病気・障害の特性

アスペルガー症候群は、発達障害のなかでも自閉症スペクトラムのなかの1つです。自閉症スペクトラムは、「知的能力」と「言語コミュニケーション能力」の高低によって、①アスペルガー症候群②高機能自閉症③自閉症の3つに分けられます。アスペルガー症候群は、これら3つの中でも知的・言語コミュニケーション能力ともに「高い」と位置付けられています。ゆえに、大人になって仕事上などの問題が生じて、初めて自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群と診断されるケースもあります。では、アスペルガー症候群とは、どのような特徴を持った発達障害なのでしょうか。

→自閉症スペクトラムについて詳しく知りたい方はコチラ「大人の自閉症スペクトラムの特徴とは?」

大人のアスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群に関わらず、自閉症スペクトラムの特徴としてよくあげられるのが、「ウィングの3つ組」です。ウィングの3つ組は、自閉症スペクトラムの特徴を

  • ・①社会性の問題
  • ・②コミュニケーションの問題
  • ・③想像力の問題

の3つに分けています。

具体的な特徴としては、

  • ・「周囲の空気を読むことが苦手。暗黙のルールがわからない」
  • ・「”あれ”、”それ”などの抽象的な指示が苦手」
  • ・「言葉の字義通りの意味しかわからない。そのため冗談や皮肉が通じない」
  • ・「こだわりが強くちょっとした変化も臨機応変に対応するのが苦手」
  • ・「相手の表情やしぐさから気持ちを汲み取ることが苦手」

などが挙げられます。

アスペルガー症候群のタイプ

アスペルガー症候群は、大きく以下の3つのタイプに分けることが出来ます。

  • ①積極奇異型:積極的に他者と関わろうとするが、一方的で執拗になってしまう特徴を持つアスペルガー症候群
  • ②受動型:自分で意思を持ったり決定することに消極的な特徴を持つスペルガー症候群
  • ③孤立型:孤独を好み、社会的接触をせず、自分の理想とする生き方を貫く特徴を持つアスペルガー症候群

ちなみに、アスペルガー症候群は知的障害は伴っておらず、むしろIQ(知能指数)は正常域です。また、これらのタイプは、幼児期から成人期へと成長する過程のなかで変化することもあります。多いのは、子どもの頃は①積極奇異型で、大人になるにつれ②受動型や③孤立型に変化するケースのようです。

また、その他の特徴として、感覚過敏または感覚鈍麻があります。感覚とは、具体的に「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・運動覚・温痛覚」などがあります。例えば、視覚過敏では「ふつうの光が目をあけていられないほどまぶしく感じる」、聴覚過敏では「雑音が気になって、集中できない」、温痛覚の鈍麻では「暑さや寒さを感じにくい」などがあります。これらは、仕事上はもちろん日常生活においても不便さを強いられてしまいます。これらは、成長とともに改善されていく場合もありますが、大人になっても変わらない場合もあります。

大人のアスペルガー症候群の症状

子供の頃は知的に問題がなく、障害による問題行動が起きても、周囲からすれば「少し変わった子」で片づけられるかもしれません。しかし、大人になるとそうもいきません。大人になってから出来ないことが増えたように感じたり、周囲との関係の中で生きづらさを感じるようになり、診察を受ける人が年々増加しています。ここでは大人になってから現れることの多い症状について解説します。

社交的な対応ができない

場の空気を読むことや相手の表情を理解することが苦手なため、周りからひんしゅくを買ってしまうことがあります。大人になると仕事をするうえで、部署連携やコミュニケーション等チームで行うことが多くなります。その際に周りに馴染めなくなってしまうというケースがあります。

曖昧な指示に対して理解しづらい

特にマニュアルや明確な基準の少ない職場で起こりやすいです。「だいたいこれくらいで」「ちょうどいいくらいに」といった曖昧な指示や、マニュアルがなく口頭での指示などをされると困ってしまうことがあります。曖昧な指示に対するパニックに加え、こだわりの強さが相まって、仕事がなかなか進まずに周りからの評価が得られないといったケースがあります。

臨機応変な対応が難しい

仕事をしていると突然、指示内容が変わったり、急に仕事が舞い込み、複数の業務を同時進行しなければならないケースが出てきます。そういった今までの業務内容やルールと違う、イレギュラーな対応が必要になるときにパニックやフリーズを起こしてしまうケースがあります。

大人のアスペルガー症候群の二次障害に注意

大人になり、社会で働くうちに周りとの違い等によって自己肯定感が低くなり、生きづらさを感じるようになると、うつや強迫性障害などの二次障害が起こる可能性もあります。精神科に行くと、本来アスペルガー症候群がもとで起こる原因でも、二次障害に着目され、本来の原因が見つからないこともあります。

アスペルガー症候群の特徴を仕事に活かすには

もちろん、アスペルガー症候群だからといって、何をするのも苦手ということでは決してありません。むしろ、障害特性上の強みを活かして、活躍されている方もたくさんいます。アスペルガー症候群特有の強みとして以下の点が挙げられます。
・緻密な作業を行うことが出来る
・記憶力がよく、一度聞いたものや見たものを鮮明に覚えることが出来る
・好きなものに対し、周りが見えない程の集中力を発揮することが出来る
・ルールや決まり事をしっかりと守るため、仕事などに対し忠実に、またまじめに取り組むことが出来る。
これらのアスペルガー症候群特有の強みを活かすことが出来れば、他の誰にも真似できない素晴らしいパフォーマンスを発揮することが出来るでしょう。

アスペルガー症候群の人が会社を選ぶときに気を付けるポイント

ここではアスペルガー症候群の人の会社選びで気を付けるポイントについて紹介します。入社前に確認することが難しい場合もあると思いますが、確認できる範囲で確認しておくことをおすすめします。また、障害者雇用であれば、自分の苦手な業務に対して合理的配慮を得られます。

自分の興味のある業種/職種かどうか

アスペルガー症候群の人たちは自分の興味のある分野に対しては驚くほどの集中力を発揮することがあります。一方で自分が興味が持てないと集中力を発揮しづらい傾向にあります。そのため、自分の興味のある仕事を軸に選ぶといいかもしれません。

マニュアルが用意されているか

マニュアルが用意されていない場合、指示内容が曖昧な場合や基準が明確になっていない可能性があります。一方、マニュアルが用意されていると文面に明記されており、都度指示を仰ぐ必要もないため、比較的自分で仕事を進めやすいともいえるでしょう。

対人関係はどれくらいか

アスペルガー症候群の人はコミュニケーション上の悩みや課題を持っているケースが多いです。そのため、極論1人で完結する仕事が多いほど、この問題が生じる可能性は低くなります。社外・社内でどれくらいの人間関係が生じるのかを把握したうえで、自分の問題ない範囲の対人関係が発生する職場や職種が望ましいといえます。

会社規模はどれくらいか

会社規模については一般的な傾向として、規模の大きい会社ほど

  • ・マニュアルが充実している
  • ・業務分担が決められている
  • ・相談窓口等で相談しやすい

可能性が高いといえます。あくまで可能性にはなりますが、従業員人数が多い会社を狙うのも1つの手段です。一方で、人事異動等で人間関係が変わりやすいという点も挙げられます。また、いわゆる「大手企業」は入社する難易度も高いです。会社規模によらず、これらのポイントを確認したうえで入社することが大切です。

大人のアスペルガー症候群の治療法は

アスペルガー症候群は根本的な治療がないため、特効薬などはありません。しかし、少しずつ地道に訓練を積むことにより、アスペルガー症候群特有の苦手部分を克服することもできます。例えば、急な変化が苦手なタイプであれば、あらかじめいくつかのパターンを想定したり、会話のキャッチボールが苦手なタイプであれば、話の内容をメモして復唱するなどが挙げられます。その為にもまず自身の出来ること、出来ないことを理解しておくことが大切です。また、相談できる人を知ることも大切です。もし身近な人に相談するのが難しいようであれば、各自治体に設置されている発達障害者支援センターに相談するのも手段の一つです。

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