大人のアスペルガー症候群ってどんな特徴があるの?

アスペルガー症候群は、発達障害のなかでも自閉症スペクトラムのなかの1つです。自閉症スペクトラムは、「知的能力」と「言語コミュニケーション能力」の高低によって、①アスペルガー症候群②高機能自閉症③自閉症の3つに分けられます。アスペルガー症候群は、これら3つの中でも知的・言語コミュニケーション能力ともに「高い」と位置付けられています。では、アスペルガー症候群とは、どのような特徴を持った発達障害なのでしょうか。

→自閉症スペクトラムについて詳しく知りたい方はコチラ「大人の自閉症スペクトラムの特徴とは?」

大人のアスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群に関わらず、自閉症スペクトラムの特徴としてよくあげられるのが、「ウィングの3つ組」です。ウィングの3つ組は、自閉症スペクトラムの特徴を①社会性の問題②コミュニケーションの問題③想像力の問題の3つに分けています。具体的な特徴としては、「周囲の空気を読むことが苦手。暗黙のルールがわからない」「”あれ”、”それ”などの抽象的な指示が苦手」「言葉の字義通りの意味しかわからない。そのため冗談や皮肉が通じない」「こだわりが強くちょっとした変化も臨機応変に対応するのが苦手」「相手の表情やしぐさから気持ちを汲み取ることが苦手」などが挙げられます。
また、アスペルガー症候群は、大きく以下の3つのタイプに分けることが出来ます。

①積極奇異型…積極的に他者と関わろうとするが、一方的で執拗になってしまう特徴を持つアスペルガー症候群
②受動型…自分で意思を持ったり決定することに消極的な特徴を持つスペルガー症候群
③孤立型…孤独を好み、社会的接触をせず、自分の理想とする生き方を貫く特徴を持つアスペルガー症候群

ちなみに、アスペルガー症候群は知的障害は伴っておらず、むしろIQは正常域です。また、これらのタイプは、幼児期から成人期へと成長する過程のなかで変化することもあります。多いのは、子どもの頃は①積極奇異型で、大人になるにつれ②受動型や③孤立型に変化するケースのようです。

また、その他の特徴として、感覚過敏または感覚鈍麻があります。感覚とは、具体的に「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・運動覚・温痛覚」などがあります。例えば、視覚過敏では「ふつうの光が目をあけていられないほどまぶしく感じる」、聴覚過敏では「雑音が気になって、集中できない」、温痛覚の鈍麻では「暑さや寒さを感じにくい」などがあります。これらは、仕事上はもちろん日常生活においても不便さを強いられてしまいます。これらは、成長とともに改善されていく場合もありますが、大人になっても変わらない場合もあります。

大人のアスペルガー症候群とは

子供の頃は知的に問題がなく、障害による問題行動が起きても、周囲からすれば「少し変わった子」で片づけられるかもしれません。しかし、大人になるとそうもいきません。大人になってから出来ないことが増えたように感じたり、周囲との関係の中で生きづらさを感じるようになり、診察を受ける人が年々増加しています。また、先天性の脳の障害によるため、子供の頃から見られていた「少し変わった部分」は大人になってから問題が改善される訳ではありません。親の育て方(しつけ)が悪かったから、アスペルガー症候群の特徴が出ているというわけでは決してありません。

アスペルガー症候群の特徴を仕事に活かすには

もちろん、アスペルガー症候群だからといって、何をするのも苦手ということでは決してありません。むしろ、障害特性上の強みを活かして、活躍されている方もたくさんいます。アスペルガー症候群特有の強みとして以下の点が挙げられます。
・緻密な作業を行うことが出来る
・記憶力がよく、一度聞いたものや見たものを鮮明に覚えることが出来る
・好きなものに対し、周りが見えない程の集中力を発揮することが出来る
・ルールや決まり事をしっかりと守るため、仕事などに対し忠実に、またまじめに取り組むことが出来る。
これらのアスペルガー症候群特有の強みを活かすことが出来れば、他の誰にも真似できない素晴らしいパフォーマンスを発揮することが出来るでしょう。

大人のアスペルガー症候群の二次障害とは

大人になり、社会で働くうちに周りとの違い等によって自己肯定感が低くなり、生きづらさを感じるようになると、うつや強迫性障害などの二次障害が起こる可能性もあります。精神科に行くと、本来アスペルガー症候群がもとで起こる原因でも、二次障害に着目され、本来の原因が見つからないこともあります。

大人のアスペルガー症候群の治療法は

アスペルガー症候群は根本的な治療がないため、特効薬などはありません。しかし、少しずつ地道に訓練を積むことにより、アスペルガー症候群特有の苦手部分を克服することもできます。例えば、急な変化が苦手なタイプであれば、あらかじめいくつかのパターンを想定したり、会話のキャッチボールが苦手なタイプであれば、話の内容をメモして復唱するなどが挙げられます。その為にもまず自身の出来ること、出来ないことを理解しておくことが大切です。また、相談できる人を知ることも大切です。もし身近な人に相談するのが難しいようであれば、各自治体に設置されている発達障害者支援センターに相談するのも手段の一つです。

 

病気・障害の特性