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アスペルガー症候群の治療方法とは?検査はどうやってやるの?

2022.04.08

病気・障害の特性

こんにちは!
就労移行支援事業所CONNECT枚方の稲葉です。

本日は、アスペルガー症候群の治療や検査方法について解説します。

この記事は次のような人にオススメ
  • もしかすると自分はアスペルガー症候群かもしれない・・・
  • 診断の時にはどんな検査を受けるの?
  • アスペルガー症候群の症状に悩んでいる

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アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群とは、「自閉症」のひとつに分類され、

「社会性」「言語コミュニケーション」「想像力」の3つの障害を持つ発達障害です。

言葉や知的等の遅れはありませんが、

  • ・その場の空気を読むこと
  • ・暗黙の社会的ルール

などを理解することが難しく、悪気なく一方的に自分ばかり話したり、人が傷つくことを伝えてしまったりします。

※アスペルガー症候群は現在、自閉スペクトラム症(ASD)と表現されています。

次に、3つの特徴について解説していきます。

社会性の障害

特徴として、

  • ・自分の思い通りになるように仕切る
  • ・思い通りにならない時に癇癪を起こしてしまう
  • ・暗黙のルールの“あえて”言わない・やらないなど、ルール的なものを理解することが難しい

というものがあります。

この特徴から同年代の人との人付き合いがうまくできず、「周りと比べて浮いている」「空気が読めない」などと言われることがあります。

言語コミュニケーションの障害

言葉の発達に遅れはありませんが、

  • ・相手の気持ちを読み取って話をするということが難しい
  • ・言われた言葉をそのまま理解する

という特徴があり「例え」や「冗談」、「皮肉」、「慣用句」などを読み取ることができないことがあります。

 

独特なコミュニケーション方法を取るため、

  • ・自分の興味を持ったことを一方的に話ししてしまう
  • ・相手の言葉をそのまま繰り返してしまう

 

曖昧な質問に対して、それが何のことを聞かれているのか読み取ることができずに

  • ・考えられること全て聞き返す
  • ・分かっていないのに分かっているつもりで会話を進める

といった傾向があります。

想像力の障害(及びそれに基づく行動の障害)

柔軟な対応が難しい人が多く、

  • ・事の成り行きを想像することが難しい
  • ・行動パターンに強いこだわりがある
  • ・新しい人や状況、予想外の事態への臨機応変な対応が苦手
  • ・物事の一部分にこだわり、全体像を把握することが苦手

といった特徴から、想定外の行動をとることに抵抗を示し、パニックになってしまうこともあります。

対人関係の困難さが合わさることで、人づきあいを避け、ひとりで自分の好きなことに没頭することを好む人も少なくありません。

その反面、情報を集めることが得意で、機械的に記憶するような場面においては優れた成果や成績を出すことがあります。

 

アスペルガー症候群の原因

アスペルガー症候群は原因がしっかりと解明されておらず、不明な部分も多くあるのが現状です。

  • ・遺伝的な部分が複雑に絡み合った結果、発現する
  • ・生まれつきの脳の機能障害によって発現する

と考えられています。

また、研究データには「胎児期の体内環境や周産期のトラブルなどが原因になっている」というものがあります。

そのため、アスペルガー症候群の子供を育てているご家庭において、「育て方が悪かったのか」と悩んでいる方が多くいらっしゃいますが、アスペルガー症候群と育て方の因果関係はありません。

 

アスペルガー症候群の検査方法

アスペルガー症候群の診断と検査は、

  • ・成育歴の聴き取り
  • ・現在の症状
  • ・知能検査

の3点を確認した上で、診断基準に則って行われます。

それぞれの確認点について詳しく解説していきます。

成育歴の聴き取り

アスペルガー症候群を含む発達障害は、生まれつきの脳機能のアンバランスが原因とされるため、

アスペルガー症候群の特徴が、乳児期・幼児期の頃から見られたかどうかを確認します。

その際、

  • ・出産時の状況
  • ・家族関係
  • ・既往歴
  • ・学校での様子
  • ・学校の成績

等も有効な判断材料となるため、両親や兄弟などからの情報も必要となります。

現在の症状

現在、本人が困っていることや生きづらさ、精神・身体症状などが、アスペルガー症候群に起因するのかで判断します。

大人のアスペルガー症候群の方が、精神疾患をきっかけに心療内科等に受診した際、

精神疾患が二次障害であり、発達障害が起因となっていると判明するケースもあります。

知能検査

ウェクスラー式知能検査によって、

  • ・言語性IQ
  • ・動作性IQ

に加え、4つの下位能力に分けて、知的能力の多様な側面を平均で測ります。

日本での検査方法は年齢別に

  • ・WAIS-IV(16歳~90歳11か月)
  • ・WISC-IV(5歳0か月~16歳11か月)
  • ・WIPPSI(2歳6か月~7歳3か月)

があります。

アスペルガー症候群は、言葉の遅れはなく知的能力は平均以上のため、平均であるIQ100以上を示します。

全体IQ100であれば、言語性と動作性、下位能力の各数値は、IQ100前後にバランスよく表れます。

しかし、アスペルガー症候群を含む発達障害の方の場合は、

言語性と動作性、下位能力それぞれの数値の間に大きな差が見られるといった特徴があります。

 

アスペルガー症候群の診断と鑑別は非常に難しく、医師の間でも意見が割れるほどです。

そのため確実な診断が可能である発達障害の専門医に診てもらうことが重要になります。

発達障害の専門医は、「発達障害者支援センター」「保健所」へご相談ください。

 

アスペルガー症候群の治療方法

アスペルガー症候群は、遺伝・環境の要因が複雑に絡み合って発現するものであると考えられています。

しかし、はっきりとしたことは明確になっていないため、根本的な治療法は確立されていません。

そのため、完治ではなく「緩和」を目的とした『薬物療法』『精神療法』を中心に行われます。

精神療法

アスペルガー症候群の方にとって、違和感となり得る

  • ・自分の不得意なこと
  • ・得意で強みになること

を知り、症状と上手に付き合うことが大切となります。

また、物事の理解の仕方や感じ方に違いがあるため、

  • ・特性を理解した上で工夫する
  • ・環境を整える

ことで生きづらさが緩和される場合があります。

精神療法は、社会的な振る舞いを体験しながら身につけていくことがを目的としています。

そのため、精神療法である「心理療法」「カウンセリング治療」「認知行動療法」などが有効となります。

薬物療法

アスペルガー症候群の特徴ゆえに、生きにくさを感じ、疎外感や無力感などのストレスから

  • ・適応障害
  • ・うつ病
  • ・強迫性障害

などの二次障害を引き起こしてしまうことが多々あります。

薬物療法はその二次障害への療法として用いられるものであり、アスペルガー症候群自体の治療ではありません。

二次障害を引き起こしている人に対して、睡眠導入剤や向精神薬などが検討されて処方される場合があります。

イライラや不安になって夜眠れないような場合において、薬物療法は一定の効果が得られるとされています。

 

まとめ

現時点で、完全な治療法やアスペルガー症候群に関するメカニズムを含めて、わかっていないことが多いです。

そのため、その症状を理解して上手く付き合っていきながら、社会で生きていくことが必要となります。

アスペルガー症候群の治療方法とは?

①アスペルガー症候群ははっきりとした原因が解明されていない
②根本的な治療法がない
③緩和を目的として『薬物療法』と『精神療法』が中心に行われる

生きづらさを緩和を目指すためには
①自身の特性を理解する
②二次障害を引き起こさないよう注意する
③専門機関・専門家に相談する
を行い、特性や症状と上手く付き合っていくことが必要