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もしかしてワーキングメモリが弱い?発達障害の特性と原因など関係を解説!

2025.12.26

病気・障害の特性

こんにちは!就労移行支援事業所CONNECTです。

「さっき言われたことを思い出せない」「複数の作業を同時に進めるのが苦手」「会話の途中で、何を話していたか分からなくなる」

このような経験から「自分は能力が低いのでは?」と悩んでいませんか?

その悩み、単なる「うっかり」ではなく、「ワーキングメモリ」の弱さが原因かもしれません。

この記事では、ワーキングメモリの基本的な仕組みから、発達障害との深い関係、

そして仕事や生活で実践できる対策までを分かりやすく解説します。

また、仕事での困難を乗り越えるための具体的な選択肢として、専門的なサポートについても紹介します。

この記事は次のような人にオススメ
  • うっかりが多い、忘れやすいことに悩んでいる方
  • ワーキングメモリの基本的な仕組みと発達障害との関係を知りたい方
  • 仕事や生活で実践できる対策を知りたい方

オススメ動画はコチラ▼

ワーキングメモリとは?「脳の作業台」の仕組みと役割

ワーキングメモリとは、例えるなら「脳の中の小さな作業台」です。私たちは、この作業台の上で情報を一時的に覚えておきながら同時にその情報を使って別の処理や思考を行うという、複雑な活動をおこなっています。

ワーキングメモリは、主に以下の3つの役割を同時に担っています。

一時的な情報保管庫:情報を数秒間、安定して保存する。

(例)スマートフォンに届いた6桁のワンタイムパスワードを、入力画面に切り替えて打ち込むまでの数秒間、忘れないように覚えている。

「ながら作業」の司令塔:複数の動作や情報を同時に制御する。

(例)「鍋をかき混ぜる」という行動をしながら、「次に火を止めて調味料を加える」というレシピの手順を保持し、かつ「タイマーの残り時間」を監視する。

思考の材料置き場:複雑な思考のためいに情報を比較・操作する。

(例)製品Aと製品Bのそれぞれのメリット・デメリットを頭の中に置き、自分の目的や予算と照らし合わせながら最良の選択肢を決定する。

この「作業台」が広い人ほど(ワーキングメモリが強い)同時に多くの情報を処理しやすくなります。

作業台が狭い人は(ワーキングメモリが弱い)一つもしくは二つの情報を同時に処理しようとすると、作業台がいっぱいになり情報がこぼれ落ちてしまいやすいです。この結果、うっかりや忘れやすいということにつながっていきます。

 

ワーキングメモリが弱いと起こる困りごと【日常生活・仕事別】

ワーキングメモリの弱さは、単に「忘れっぽい」「うっかり」というだけでなく、仕事の実行や段取り、コミュニケーション、日常生活での計画性など、多岐にわたる場面で影響を及ぼします。

日常生活での困りごと

スーパーでメモを見ても、何のために買うのかという目的を忘れ、二重買いをしたり買い忘れたりする。

掃除をしていても計画通りにできず、あちこち手をつけてしまい、どれも最後までやり遂げられない。

複数の予定(病院、役所)とその持ち物を整理できず、時間や場所を間違えたり予定を忘れてしまう。

仕事での困りごと

長い文章やマニュアルを読んでいるとき、文章の最初の内容や、全体の目的を忘れてしまい、どこを読んでいるのかわからなくなる。

資料を見ながらデータを入力するとき、数字や文字を一時的に覚えておくことが難しく、見間違いや入力ミスが多くなる。

自分が話すとき、言いたいことの全体像を頭の中でまとめるのが苦手で、話があちこちに飛び、相手に伝わりにくい。

これらの困りごとは、「努力が足りない」からではなく、脳の特性として作業台のスペースが手狭であることに起因しています。

 

 

なぜワーキングメモリは弱くなるのか?

ワーキングメモリの能力は、先天的な要因(遺伝や脳の機能特性)と、後天的な環境・健康要因の両方が複雑に絡み合い、影響しあって決まります。そして、ワーキングメモリの弱さが見られやすいのは、脳の機能や構造に関わる特性が影響していると考えられています。

ワーキングメモリの弱さは、「努力が足りない」「学習不足」によるものではありません脳の特性として苦手な部分があるだけです。

ワーキングメモリの司令塔となるのは、脳の最も前方に位置する前頭前野です。注意の制御、計画、実行といった高次な認知機能を担っています。また、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質は、集中力、注意の集中や持続に重要な役割を果たし、ワーキングメモリ機能に不可欠です。

先天的な要因

発達障害を持つ方の一部では、この前頭前野の活動パターンや発達の仕方に定型発達の方と違いがあることが研究などでわかってきています。この前頭前野は、実行機能の中核であり、その特性の違いがADHDとASDそれぞれの困難に直結しています。

 

ADHD(注意欠如・多動症)との関連性

ワーキングメモリの不全は、ADHDの中核的な症状の一つです。

注意欠如→脳のフィルター機能が不安定なため、ノイズ(雑音や思考)がワーキングメモリの作業台に流入し、必要な情報が欠落します。情報を維持し続ける力が弱く、タスクの連続性が途切れがちです。

多動性・衝動性→ワーキングメモリでの分析が完了する前に行動が先行するため、計画やルールといった未来の情報を無視した行動となり、複雑な思考や論理的な作業が寸断されます。

ASD(自閉スペクトラム症)に見られる困難

ASDを持つ方は、情報を非常に詳細に、一つ一つ深く処理する傾向が強いことがあります。

情報処理の特性→ 情報を過度に詳細に処理しようとする結果、ワーキングメモリの作業台がその情報で占有され、他の情報を扱う余裕がなくなります。このため、全体像を見失いやすくなります。

柔軟性の困難→急な予定変更などで、古い計画から新しい計画へ情報を切り替える「操作」に大きな負荷がかかります。ワーキングメモリの作業台がフリーズしたような状態になり、適切な判断や行動が遅延します。リアルタイムのコミュニケーション処理も、大量の情報を同時に扱うため過負荷となりやすいです。

後天的な要因

慢性的なストレスや不安などはストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌を通じて、ワーキングメモリの司令塔である前頭前野の機能を一時的に低下させます。頭の中が常に悩みで満たされる状態も、ワーキングメモリの作業台を占有します。

睡眠不足は、脳の認知機能回復を妨げ、集中力やワーキングメモリ機能を鈍らせます。また、一部の疾患や脳の損傷、栄養失調などもワーキングメモリの能力を弱めてしまいます。

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明日から試せる!ワーキングメモリを補う工夫とトレーニング

 

ワーキングメモリの弱さは、努力や意欲の問題ではありません。大切なのは、「脳の作業台」にかかる負荷を減らすための具体的な仕組みを、生活と仕事の中に組み込むことです。

メモ・ツール活用で「外部化」する工夫

脳の作業台が小さいなら、外部に強力なメモ帳を用意すれば問題は解決できます。情報を頭の中に保持するのをやめ、視覚的なツールにすべて委ねるという考え方を徹底しましょう。

 

やるべきことは全て書き出す(タスクリストの徹底)

仕事やプライベートでやるべきことは、どんな小さなことでも全てリスト化し、頭の中から追い出します。紙でもアプリでも構いませんが、一つの場所に集約することが重要です。(紙なら紙、アプリならアプリと決める。こっちは紙、これはアプリとしてしまうとどこに何を書いたのかわからなくなり本末転倒)

スマートフォンのリマインダーやアラーム機能を徹底活用する

時間や場所を問わず、「〇時になったら薬を飲む」「駅に着いたら〇〇さんに連絡する」など、行動のきっかけを全て自動化します。脳に「忘れないように注意し続ける」という負担をかけないようにしましょう。

仕事の指示は必ずメモを取り、復唱して確認する

口頭で受けた複数の指示は、その場で「1. 〇〇、2. 〇〇」とナンバリングしながらメモを取り、最後に相手に復唱して確認します。これにより、情報の取り込みミスを防ぎます。

物の置き場所を決める(定位置管理)

鍵、財布、社員証など、毎日使う物は必ず決まった場所に置く習慣をつけましょう。これにより、「どこに置いたか?」をワーキングメモリで検索する負荷をなくします。

ワーキングメモリを鍛えることは可能か?

近年、脳トレアプリやNバック課題、簡単な暗算や音読などが、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングとして紹介されることがあります。理論上、認知機能を向上させる可能性はありますが、これらのトレーニングには注意点と限界があります。

認知トレーニングの効果は、実生活や仕事での困難を劇的に改善するほど大きくないということがあります。トレーニングで向上するのは、トレーニングで使った課題の点数であることが多く、それがそのまま職場の複雑なタスク遂行能力に繋がるとは限りません。

「自分一人で頑張っても、仕事のミスが減らない…」「工夫しているのに、いつも段取りでつまずく…」こうした悩みが続く場合、個人の努力やトレーニングに頼るのではなく、やり方や環境そのものを根本的に見直す視点が重要になります。

もし、ご自身の特性と職場のミスマッチが続いていると感じるなら、次は専門的なサポートを受けることをお勧めします。

 

仕事の「困った」が続くなら。専門機関に相談する選択肢

 

「何度メモを取っても忘れる」「段取りがうまくいかず、いつも納期に追われる」「自分は努力が足りないのではないか」ワーキングメモリの弱さが引き起こす仕事の困難に、一人で悩み続けてはいませんか?

 

自分の特性に合った「働き方」を見つけるために

まず、理解していただきたいのは、ワーキングメモリの弱さは「能力の低さ」ではなく、「脳の機能の特性」であるということです。人にはそれぞれ得意な情報処理のパターンがあり、あなたの脳の「作業台」が情報を一時的に保持・操作するのが苦手な構造であるだけなのです。

無理に苦手を克服しようと努力を続けるよりも、大切なのは、この特性を理解した上で、自分に合った環境や仕事の進め方を見つけることです。例えば、外部化ツール(メモやリマインダー)を徹底的に使いこなす練習をしたり、マルチタスクを求められない業務に就いたりすることです。

しかし、自分の特性を客観的に分析し、それにフィットする具体的な職業や職場の環境調整を、たった一人で正確に見つけ出すのは非常に困難です。そんな時に頼りになるのが、専門的な支援機関です。

 

「就労移行支援」で得られる具体的なサポートとは?

あなたの「困った」を本質的に解決するための選択肢の一つが、福祉サービスである「就労移行支援」です。

就労移行支援事業所は、障害や特性のある方が、自分らしく安定して働くためのスキル習得や就職活動をサポートする公的なサービス機関です。ここでは、以下のような具体的なサポートを受けることができます。

特性の理解と分析→ワーキングメモリをはじめとするあなたの認知特性を客観的に評価・分析し、「なぜミスが起きるのか」という原因を明確にします。

実践的な訓練→あなたの特性に合わせたメモの取り方、タスク管理、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の方法など、職場で必要なスキルを実践的に練習できます。

職場探しのサポ→特性や適性に合った職種の選定から、履歴書の作成、面接対策まで、就職活動全般をサポートします。

職場定着支援→就職後も、困りごとがないか確認し、企業との間に入って環境調整(例:指示を必ず文書化してもらう、マルチタスクを減らすなど)をサポートします。

「障害者手帳がないから利用できないのでは?」と心配される方もいますが、医師の診断書や意見書があれば利用できる場合があります。

一人で抱え込まず、まずは一度、専門機関に相談していただくことが、あなたらしい働き方を見つけるための最初の、そして最も重要な一歩となります。

 

就労移行支援CONNECTとは

CONNECTは精神・発達障害者の支援に特化した就労移行支援事業所です。関西・関東で12か所の事業所を運営し、通所が難しい方のためにオンラインコースでの支援も行っています。
CONNECTには精神・発達障害者の就職支援に特化した専門スタッフが多数在籍。個人の特性に合わせた訓練プログラムや実習のマッチングが可能です。就職後もしっかりサポートを行うので、87%という高い職場定着率を実現しています(2020年度実績)。

あなたの強みを活かせるよう一人一人に合ったサポートを提供しています。見学や無料相談は随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

利用方法や対象者など、就労移行支援の詳細はこちら

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まとめ
  • ワーキングメモリの弱さは前頭前野の特性(ADHD/ASD)や、環境的ストレスなどが影響しており「努力不足」「能力の低さ」などではありません。
  • 困りごとの解決には「脳に頼らない仕組み」の工夫が有効ですが、自力での改善には限界があります。
  • 仕事の困難が続くなら、特性理解と支援を行う就労移行支援に相談し環境調整や職場探しといった専門的なサポートを受けましょう。

 

発達障害・うつ病・適応障害・パニック障害などで、就職・転職にお困りの方へ
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  • 職場の人間関係が…
  • 障害を理解してもらえない…
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こんな悩みを一人で抱え込んでいませんか?
そんな人には…
精神・発達障害特化の就職支援機関『CONNECTの無料就職相談会』がオススメ!
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