こんにちは!就労移行支援事業所CONNECTです。
「毎朝、鉛のように体が重くて起き上がれない」と感じていませんか。日中は常にだるく、集中力が続かない、といった悩みを抱えている方もいることでしょう。これらは、「怠けてるだけじゃないか」「気合が足りないんだ」などと周りに思われがちな症状です。ですが、このような心身の不調は、決して本人の「怠け」や「気合」の問題ではありません。
実は、こうした悩みが発達障害の特性と深く関係している可能性があるのです。この記事では、なぜ発達障害のある方が疲れを感じやすいのか、その原因を特性レベルで解説します。また、今日から実践できる具体的な生活リズムの整え方や、専門的なサポートについてもご紹介します。
- 発達障害があり、疲れやすさやだるさで困っている人
- 規則正しい生活を送りたいが、一人ではなかなか継続できないと悩んでいる人
- 体調を安定させるために、専門的なサポートや支援を探している人
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発達障害の特性との関係性

あなたの体調不良は、頑張りが足りないわけでも、気持ちが弱いわけでもありません。それは発達障害の特性が原因で起こっている、脳のエネルギー消費の仕方によるものかもしれないのです。
ここでは、体調不良がなぜ起こるのかを、精神論ではなく脳機能や感覚の特性といった観点から解説します。ご自身の体の仕組みを正しく理解し、ご自身を責める気持ちを手放すきっかけにしてください。
脳機能の特性によるエネルギー消費
実行機能の課題による疲労
発達障害のある方は、定型発達の方が無意識にこなすことに、多くのエネルギーを使うことがわかっています。例えば、物事の優先順位を決めることや、計画を立てて行動に移す実行機能に課題を抱えることがあります。そのため、タスクを処理する際に脳のエネルギーを消費しやすく、これが精神的な疲れに繋がっていくのです。
過集中と過活動による疲労
過集中の特性があると、手を抜けず根を詰めるため、肉体的な疲労やエネルギー不足を招きやすくなります。さらに、多動の特性があれば、活動量が多くなり、知らないうちに体力を消耗させる要因となります。
思考の切り替えの困難による疲労
一つの思考から次の思考へ頭を切り替える際に、大きな負担がかかることも疲労の一因となります。これは、認知の柔軟性に課題がある場合に特に起こりやすい現象です。前の作業から次の作業へ意識を移すことに、多くのエネルギーが必要となるのです。
感覚特性による刺激と疲労
感覚過敏によるストレス
光、音、匂い、人の視線などの感覚情報に非常に敏感な方がいます。これを感覚過敏と呼びます。脳が周囲の刺激を常に無意識に取り込んでしまうのです。特性のない人が気にならない小さな刺激でも、脳が絶えず処理している状態になり、すぐ疲弊してしまいます。例えるなら、常にフル稼働しているコンピューターのような状態と言えるでしょう。
感覚鈍麻による疲労の蓄積
一方で、感覚鈍麻の特性を持つ方もいます。この特性は、痛みや空腹感、疲労や体調の変化といった体内のシグナルに気づきにくい、というものです。自分の限界を超えて無理をした結果、心身の不調が一気に現れるケースもあり、注意が必要です。疲れを自覚する前に休息をとる、といった対策が重要になります。
睡眠サイクルの乱れやすさ
寝つきの悪さと質の低下
発達障害のある方は、不安感の強さや頭の中の思考の多さから、なかなか寝つけないことがあります。眠りが浅い傾向もあり、良質な睡眠がとれていないケースも少なくありません。これにより、心身の休息が十分に取れず、日中の強い疲労感に繋がってしまうのです。
体内時計のズレ
メラトニンという睡眠ホルモンの分泌リズムが乱れやすく、体内時計がズレやすいことも指摘されています。この体内時計のズレが、「夜に眠れず、朝起きられない」という悩みに繋がるのです。睡眠リズムを整えることが、体調管理の大きな鍵となります。
二次障害としての心身の不調
発達障害の特性からくる困難を周囲に理解されず、失敗体験が積み重なることがあります。その結果、自己肯定感の低下やストレスの蓄積が起こる場合があるのです。これが二次障害として、精神的な疾患を併発させることにつながります。併発しやすい症状を解説します。
抑うつ症状
二次障害の中でも、抑うつ症状は心身の不調の代表例です。気分が強く落ち込み、だるさや意欲の低下、睡眠障害などを引き起こします。体調不良は、特性そのものだけでなく、心身のSOSとして現れることもあるでしょう。
不安障害
不安障害を併発するケースも少なくありません。過度な心配や対人恐怖、パニック症状などとして現れます。これらの精神的な症状が、さらなる心身の緊張や疲労を招き、悪循環になる場合があるのです。
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今日からできる!生活リズムを整えるステップ

これまでは、疲れやすさの原因について解説してきました。ここでは、その特性を理解した上で、実際に心身の不調を和らげるための具体的な対処法を紹介します。まずは小さな一歩から、無理なく取り組んでみましょう。
ステップ1:朝の習慣作り「光」と「食事」で体内時計をリセット
朝の過ごし方は、その日の体調を左右するほど大切です。
決まった時間に起きる
起床時間を一定にすることを心がけましょう。休日の起床時間も、平日から2時間以内のズレに抑えるのが理想的です。
日光を浴びる
起きたらすぐにカーテンを開け、太陽の光を浴びるようにしてください。光は体内時計をリセットする、最も強力なシグナルとなります。
朝食を食べる
簡単なもので良いので朝食を摂り、体内を内側から目覚めさせましょう。
ステップ2:日中の活動「こまめな休憩」でエネルギー管理
エネルギー切れを起こさないように、活動量を上手にコントロールしましょう。
休憩の習慣
作業に没頭しすぎて疲弊する前に、意識的に休憩する習慣をつけます。たとえば、ポモドーロ・テクニック(25分集中+5分何もしない)などを活用してください。休憩自体を、最初からスケジュールに組み込んでおくこともおすすめです。適切なタイミングで休むのが苦手な方には特に有効です。
タスクの細分化
タスクを小さく分けて、一つ終わるごとに達成感を得られるように工夫してみましょう。
刺激を減らす
感覚過敏への対策として、刺激を減らす工夫も有効です。ノイズキャンセリングイヤホンやサングラスなどを活用できます。
ステップ3:夕方~夜の過ごし方「リラックス」への切り替え
寝る前の環境を整えて、質の高い睡眠を目指しましょう。
光の刺激を減らす
就寝の1~2時間前からは、スマートフォンやテレビ、パソコンの画面を見ないようにしてください。ブルーライトは睡眠を促すホルモルの分泌を抑制します。
睡眠前のルーティンでリラックスする
眠りやすい環境を整えるためのルーティンを確立することも効果的です。たとえば、
・ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
・好きな音楽を聴く
・アロマを焚く
など、自分なりのリラックス方法を見つけ、毎日実行するようにしましょう。
カフェイン・アルコールを控える
カフェインは、就寝の6時間前までを目安に摂取を控えましょう。たとえば、夜12時に寝るなら夕方18時以降は避けるのが理想的です。アルコールは、寝つきは良くするものの、睡眠の質を低下させます。寝る3時間前までには飲み終えるように意識しましょう。
ステップ4:「自分の状態」を記録・可視化する
自己理解を深めることは、体調管理の第一歩となります。
体調や睡眠時間、気分などを簡単な日記やアプリで記録しましょう。自分の体調の波や、何が不調の引き金になるのかを客観的に把握できるからです。これは自己理解を深めるために非常に役立ち、自分に合った対処法を見つけることに繋がります。
専門家と二人三脚で改善を目指す大切さ

これまで、自分でできる具体的なセルフケアの方法をご紹介しました。これらの方法は有効ですが、発達障害の特性上、新しい習慣を一人で継続するのが難しい方も多いでしょう。頑張ってもなかなか続かないことは、決して珍しくありません。
継続の課題と専門家の役割
自身の特性に合った無理のない工夫を見つけるには、客観的な視点や専門的な知識が非常に役立ちます。また、新しい習慣を定着させるためには、サポートしてくれるパートナーの存在が大切です。
相談の選択肢を持つことの重要性
「体調管理も、仕事の準備の一つ」という視点を持つことが重要です。自分の状態を誰かに話すことで、気持ちが楽になったり、解決の糸口が見えたりすることもあります。相談という選択肢を持つことは、心身の不調を防ぐ上で非常に大切なことです。
「就労移行支援」という選択肢
就労移行支援とは
就労移行支援は、障害のある方が一般企業への就職を目指すために利用できる福祉サービスです。職業訓練や就職活動のサポートを、原則2年間受けられます。体調管理や生活リズムの改善も、支援の重要な柱の一つです。
なぜ「就労移行支援」が生活リズムの改善に繋がるのか
就労移行支援には、生活を安定させるための仕組みが整っています。
決まった時間に通う「場所」ができる
事業所に通所すること自体が、強制力のある生活リズムの土台となります。「朝起きて、どこかへ行く」という習慣を自然に身につけることが可能です。
専門スタッフによる個別サポート
支援員が面談を通して、個々の特性や体調の波を一緒に分析してくれます。記録の付け方や、その人に合った体調管理の方法を共に考えてくれる心強いパートナーです。
体調管理に特化したプログラム
多くの事業所で、体調を安定させるためのプログラムが用意されています。たとえば、ストレスマネジメントや睡眠改善講座などが受講できます。
同じ悩みを持つ仲間との出会い
自分と同じような悩みを抱える他の利用者と交流することで、孤独感が和らぎ前向きな気持ちになれます。
「働く」へのステップアップ
生活リズムが整い、心身の状態が安定して初めて、「働く」という次のステップが見えてきます。就労移行支援は、その土台作りから就職、そして就職後の定着支援まで、一貫してサポートしてくれる場所です。
体調管理に悩み、将来の仕事が不安なら、一度就労移行支援事業所の見学や相談をしてみませんか? 多くの事業所で無料相談や体験利用を行っています。
就労移行支援CONNECTとは
CONNECTは精神・発達障害者の支援に特化した就労移行支援事業所です。関西・関東で12か所の事業所を運営し、通所が難しい方のためにオンラインコースでの支援も行っています。
CONNECTには精神・発達障害者の就職支援に特化した専門スタッフが多数在籍。個人の特性に合わせた訓練プログラムや実習のマッチングが可能です。就職後もしっかりサポートを行うので、87%という高い職場定着率を実現しています(2020年度実績)。
施設内訓練はオリジナルの就職プランだから一切無駄がない
サービスは4つのコースに分かれており、あなたの課題に合った、必要なプログラムを提供します。
ライフスタビリティコース
体調と生活リズムの安定を目指すコースです。「毎日決まった時間に出社できる」という、就職に最も大事な力を身に着けます。
ビジネススキルコース
仕事に必要な対人能力、マナー、作業能力をはもちろん、企業への配慮事項など、就職に必要なあらゆるスキルを身に着けます。
キャリアデザインコース
仕事ができれば何でも良いわけではありません。仕事とプライベートを充実させ「幸せに過ごす」ためにビジネスライフを設計します。
リクルートコース
採用を勝ち取るためのノウハウを伝授します。応募する企業の決定から、書類の作成、面接対策までスタッフがしっかりサポートします。
上記のプログラムに加えて、企業実習・インターンの実施や就職後の定着支援も行っております。
まとめ
- 発達障害による疲れやすさは、脳機能や感覚の特性が原因で、本人の努力不足ではない
- 朝・昼・夜の具体的な行動での生活リズムの工夫と自分の体調の記録が有効
- 一人で習慣を続けるのが難しい場合は、専門的な知識を持つサポートを頼ろう
- 就労移行支援は、生活リズムの改善から就職・定着までを一貫してサポートする心強い味方








