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発達障害の方の仕事探しの方法は?向いている仕事や転職成功のコツ

2022.03.18

仕事・訓練

こんにちは!就労移行支援事業所CONNECTの深谷です!

発達障害の方がお仕事探しで「自分には一体どんな仕事が向いているのだろう?」「向き、不向きを知りたい!」「今度こそ転職を繰り返さずに長く同じ職場で仕事を続けたい」と悩んでいらっしゃるかもしれません。

この記事は次のような人にオススメ
  • 発達障害でどんな仕事が向いているか知りたい人
  • 発達障害で転職成功させるポイントを知りたい人
  • 発達障害の人の働き方を知りたい人

学生まではなんとか生活できていたが、社会人になってからお仕事がうまくいかず発達障害だと診断されて途方に暮れてしまっている方、また今から転職活動をしようとされている方、またそのご家族や友人の方などのお力になればと思います!

発達障害とは

発達障害とは、生まれつき脳の働き方の違いによる言語の発達の遅れ、対人関係をうまく構築することができない、落ち着きがない、特定分野の勉強が極端に苦手などの特徴が現れる障がいの総称です。

幼少期の検診、学生生活の中で発覚する場合や、大人になって働き出してから特性や症状を自覚するケースもあります。発達障害のタイプによって症状の現れ方や程度も人それぞれ異なり、外見で判断がつきにくい障がいです。

そのため、周りの人から理解が得られずに「話が通じない」「変わっている」「怠けている」などと勘違いされることもあり、社会生活を送る上で困難が生じます。しかし、本人や周囲の人が特性を理解し、環境を整えることで生きづらさは軽減されていくケースも多くあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラム(ASD)は

●対人関係の質において問題を生じる「社会性の欠如」
●意思疎通が正しくできない「コミュニケーションの欠如」
●次に何が起こるかという想像が難しい「想像力の欠如」

という要素が見られる障がいのことを指しており、自分が安心できるルールや環境に固執しやすい「過度なこだわり」といった特徴がある方もいらっしゃいます。

例えば、言葉をその通りに真に受け取ってしまったり、冗談や慣用句、例え話などが通じにくかったり、いつもと同じ環境でないとソワソワして落ち着かなかったりなどが挙げられます。また、急な予定変更や環境の変化などに強いストレスを感じて不快になってしまう、柔軟な考え方ができない、興味・関心の範囲が狭いなどの特性も見られます。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

注意欠如・多動性障害は

●不注意(集中力がない)
●多動性(じっとしていられない)
●衝動性(順番を待てない)

という要素が見られる障害のことを指しており不注意優勢型多動・衝動性優勢型に分けられます。

「不注意優勢型」は忘れ物・落とし物をしやすかったり、片付けが苦手だったり、段取りが悪く時間通りに進められず遅刻が多かったりします。例えば、財布を何度も紛失してしまうというのは「不注意優勢型」の特性に近いイメージです。

「多動・衝動性優勢型」は順番を待てない、人の発言に割り込む、一方的に喋る、深く考えずにとっさに判断・行動しすぎるといった特徴がみられます。例えば、飲食店での行列に並ぶのを極端に嫌うのは「多動・衝動性優勢型」のイメージに近いです。

学習障害(LD)

学習障害は

●文章を読む力が弱い「読字障害(ディスレクシア)」
●文字を書くことが苦手な「書字障害(ディスグラフィア)」
●計算が苦手な「算数障害(ディスカリキュリア)」

という要素が見られる障がいのことを指しております。文字を読む、書く、話を聞く、話す、計算する、理論的に考えるという能力の一部が著しく苦手といった特徴があります。

読字障害(ディスレクシア)

有名な芸能人といえば、アメリカの映画俳優さんでトム・クルーズさんです。ご自身でディスレクシアだと発表されていますが、パッと見た目では全く障がいがあるかどうかがわからない方です。自分では台本を読むことが出来なので、第3者に台本を読んでもらって録音し、耳からの音で台本を覚えているそうです。

書字障害(ディスグラフィア)

文字を書くことが苦手なディスグラフィアの方のために「ポメラ」という書字援助ツールございます。眼が悪い人が眼鏡をかけるように、学校でも職場でも困っている人は当たり前に「ポメラ」などの支援ツールが使えるようになって欲しいものです。


画像転用:ポメラホームページより

算数障害(ディスカリキュリア)

読字障害(ディスレクシア)や書字障害(ディスグラフィア)に比べてあまり知られていませんが、算数障害(ディスカリキュリア)という障害もあります。

「算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし 算数障害を知ってますか?」という絵本でマックス君という男の子が紹介されています。数の概念はあるのに計算の早解きができない少年のお話です。

親、教師、友人など一人でも多くの人が算数障害のことを知り、その子が悪いのではないよと伝えることができて暮らしやすい世の中になってほしいですね。

総じて学習障害とは、知的または聴覚、視覚の問題がない為、決して「勉強ができない」障害ではありません。

詳しくはこちらの記事もご覧ください。

発達障害の症状別、向いているとされている仕事は?

発達障害をお持ちの方が仕事を探す場合は、自分の特性・特徴を理解した上でその特性に合う仕事を探すことが大切です。

ADHDの特性と向いている仕事

ADHDの方は活発的に動き回るのが得意な方が多い傾向にあります。人とのコミュニケーションが得意なタイプなら外で活動する仕事が向いているでしょう。例えば営業職や、ラウンダーという外回りの仕事など楽しく仕事ができるかもしれません。

ASDの特性と向いている仕事

ASDはじっくりと1つのことに集中するのが得意の方が多い傾向にあります。例えば企業の研究職大学教授など、決して簡単になれるポジションではありませんが、じっくり腰を据えて自分の興味のある分野のお仕事ができれば楽しくお仕事ができるかもしれません。

LDの特性と向いている仕事

書字や計算以外の能力は問題がないので、デザイン映像関連といった書字や計算をしなくてよい仕事が向いているかもしれません。

発達障害の人の仕事の探し方は?

ついに本題の仕事の探し方についてですね!

まず発達障害のある方の仕事の探し方ですが、「オープン就労」と「クローズ就労」の2種類があることをご存知でしょうか。「オープン就労って何のこと?」と初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。障害を会社に打ち明けて働くことを「オープン就労と言います。また障害を明かさないまま働くことを「クローズ就労と言います。

どのように仕事をさがしたらよいのか、主に5種類ございますので今からご説明させていただきます。

①就職・転職サイト

一般雇用向けのサイトは有名ですが、「障がいのある人向け」の障がい者雇用に特化したサイトもございます。インターネット上に転職サイトがあり、自分で応募する形式(=能動型)です。

そのホームページにはいろいろな業界職種の求人が載っており求人を調べることができます。その上で気に入った求人があれば応募することができます。転職サイトは求人がサイトにたくさん載っていて、自分で応募する形式(=能動型)になります。

②転職エージェント

転職エージェントでも「障がいのある人向け」のエージェントがあるのをご存知でしょうか? エージェントとは直訳すると「仲介業者」という意味であり、人材紹介会社です。

転職エージェントは基本的に対人型サービスで、担当者との面談を行います。その後に希望に沿った求人があれば紹介してくれる形式(=受動型)にて、求職者の転職活動をサポートしてくれます。あなたにマッチングしていれば、エージェントならではの非公開求人も紹介していただけるかもしれません。

➂就労移行支援事業所

就労移行支援に通うメリットについてお伝えします。

例えば10年近く自宅にひきこもっていた方にとっては「毎日通えて安心できる居場所になっています」「行く場所があってうれしい」などとたいへん喜ばれております。まずは自宅以外の社会交流の場として、家族以外の他者との会話から支援が始まります。

少しずつ場所や人に慣れてきたら、施設内の訓練をご用意しております。私たち就労移行支援事業所CONNECT(コネクト)では施設内の標準の訓練として軽作業系5種類、事務系3種類をご用意しております。また標準の訓練が合わない方にも、その方に応じてどんな訓練が適切か一緒に相談しながら対応させていただいております。

就労移行支援事業所CONNECTのホームページはこちら

また高校や大学卒業後の方や前職を退職されてからすぐの方の場合は、自分の仕事の適性を見つけるところから始められます。また施設外の支援として、利用者様に応じて実習先への同行面接同行合同説明会などに一緒に出かけるなどの支援も行っております。

④合同説明会

障害者手帳をお持ちの方向けの合同説明会や合同就職面接会が開催されていることをご存知でしょうか?広い会議室やホールにて、多くの企業様が一斉に開催されるフェアのことです。

例えば2022年度には、ハローワーク主催の「障害のある方対象 就職面接会」が3月3日にマイドームおおさかにて開催されました。このフェアではなんと50社同時に開催されました。1日で1度に複数の企業に応募できること、また会場の様子(他の障害者の方の服装や面接を受けている風景)などを体感できるのがメリットです。

発達障害をお持ちの場合の勤労形態

①一般雇用

先ほども少しお伝えいたしましたが、オープン就労」と「クローズ就労」の2種類がございます。一般雇用に障害を打ち明けずに就職する以外にも、障がい者雇用という選択肢があります。

オープン就労

履歴書や面接のときに会社に自分の障害の情報を打ち明けて(開示:OPEN)就職することを「オープン就労」と呼んでいます。面接官の身近に障害者の方がいらっしゃらなくて理解が浅い場合は面接官自身が困ってしまうかもしれません。しかし、面接官が障害に対して理解があれば面接がスムーズに進むかもしれません。そもそも障害者雇用での応募ではないため、どのような展開が待ち受けているか応募してみないと分からないことが多いのが現状です。実際の面接で自分の得意や苦手なことを伝え、苦手に対してフォロー(配慮や支援)が得られそうかを聞くと良いと思います。

クローズ就労

自分の障害を打ち明けずに秘密(CLOSE)にしたまま就職することを「クローズ就労」と呼んでいます。ごくごく普通の一般的な就労のことを指します。障害の無い方には普通の就労のことです。テレビのコマーシャルでも求人情報誌などでも(バイトするなら〇〇など)宣伝しています。

②障がい者雇用

企業様が最初から障害者手帳をお持ちの方を採用しようと求人を出している「障がい者雇用枠」の求人があります。特に大手企業が障害者雇用率を確保するため設立した会社を「特例子会社」と呼んでいます。ハローワークでも専門に障害者専用窓口があります。国を挙げて障害者雇用率を達成しようと頑張っているところです。

発達障害の人には難しいかもしれない職場環境や職種は?

他人と多くコミュニケーションを取る仕事や、自分ですべて優先順位をつけて行うような仕事は難しいかもしれません。たとえばコンビニエンスストア料理人は向いていないかもしれません。なぜなら複数の出来事を同時に進めることは苦手としている人が多くマルチタスクが多い傾向になるため、あまりおすすめできません。レジ打ちしながら、揚げ物を揚げて、品出ししてetc.とマルチタスクを求められます。

また全く仕切りがなく広いワンフロアで大勢の人が仕事をしている職場を想像してみてください。数十人のたくさんの人の姿が見え、色々なところでの会話が耳から入ってきて、その中で一人でどっしりと座り黙々と仕事をしている姿。いかがでしょうか?嫌な感じがしますか?それとも集中できそうだなと思われましたか?

発達障害をお持ちの方に向いている仕事の一例

それでは発達障害の方の症例に合わせた具体的に向いている仕事内容をお伝えします。同じ診断名でもすべての方に合うとは限らないことをお知りおき頂けると幸いです。

注意欠如多動性障害(ADHD)

プログラマ/システムエンジニア:プログラマは、コンピューターを動かすプログラムを構築するお仕事のことです。プログラムはコードを正確に入れないと動かすことができません。そういった正確性を自分の武器として活躍している人も大勢いらっしゃいます。さらに日本がIT教育の一環としてプログラミング教育に力を入れ始めています。そして、最近では小学生向けのScratch(スクラッチ)というソフトも人気です。今後ますますIT化が進み、プログラマ/システムエンジニアの仕事も増えていくことでしょう。

自閉症スペクトラム(ASD)

デザイナー/クリエイター1人で黙々と仕事ができる環境なら、高い集中力があるアスペルガー症候群の特性を活かす事ができます。大勢の人たちと頻繁に交流を図り意思を伝えあわなくても良いのは、コミュニケーションに障害を抱えるアスペルガーの人にとって利点です。「アート」に特化している特例子会社もありますし、「さをり織」などの織物などの扱われているデザイン系B型作業所なども存在します。

学習障害(LD)

個人差はありますが、書字や読むことなどのご自身の苦手部分をパソコンやアプリ等でカバーできるようなお仕事が理想です。上記と同じになりますが、プログラマシステムエンジニアデザイナーまたはクリエイターなどが良いかもしれません。

発達障害をお持ちの方が転職を成功させるコツ

➀障害の理解

まず、障害を理解し受容することが大切です。オープン就労で転職活動をするのであれば、障害特性を企業様に配慮事項としてお願いすることができます。もしくはクローズ就労で転職を成功させるのであれば、障害の特性が出にくい環境の仕事を選ぶことも大切になってきます。自分に向いている仕事、不向きな仕事を間違えて選択してしまわないように障害の理解が不可欠です。

②良き理解者に相談する

ハローワーク、就労移行の支援員など障害者雇用の専門家へ相談することが大切です。自分では気づかない短所や長所、配慮事項などプロの目線からのアドバイスなどもお伝えすることができます。

➂障害に合った仕事を選ぶ

ご自身の障害特性に合った仕事をさがしましょう。自分の特性に合った仕事が見つかれば退職することなく長く続けることができます。しかし、求人を読んだだけでは実際どんな職場かどうか分からないですよね。

求人票の問い合わせ先に自分で電話をして確認する方法があります。自分で問い合わせするのは勇気が要ると言う方は、転職エージェントや支援機関に相談してみましょう。また支援機関の就労移行支援事業所を通して体験実習へ行くこともできることもあります。

実習に行くと働き出してからの「こんな仕事だとは思わなかった!」などのギャップが少なくなり、職場へのマッチングも精度が高くなります。

発達障害でも転職はできる

発達障害でも転職はできるのか?とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。しかし、もちろん発達障害があっても転職はできます

発達障害があっても、自分の苦手な業務を避けられる職種や環境の会社を選ぶことで、自分に合った良い職場に転職にすることができます。

また、一般雇用での就業や転職が難しい場合でも、障がい者雇用で適切な配慮を受けて業務を行うことが可能です。特に2016年4月より「障害者雇用促進法」施行されております。障がい者雇用の法定雇用率2021年3月より「2.2%」から「2.3%」に引き上げらており、障がい者雇用の環境が整ってきております。

あなたに合ったお仕事が必ず見つかります!上記でもお伝えいたしましたが、まずは障害の理解をすること、そしてよき理解者に相談すること。そして、よき理解者と一緒にあなたの特性に合わせた仕事を選ぶことが転職を成功させるコツです。

まとめ

それでは、最後に本日の内容のまとめです。

まとめ
  • 障がいの理解:まずは障がいについて理解し、受容することが大切
  • よき理解者に相談する:ハローワーク・エージェント・就労移行など
  • 障がいにあった仕事を選ぶ:自分の苦手なことが少ない仕事を選ぶ