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軽度のアスペルガー症候群 隠れアスペルガーとは?

2022.04.15

病気・障害の特性

みなさんこんにちは。梅田事業所の間です。

今回は「隠れアスペルガー」をテーマにお話ししていきたいと思います。

この記事を読んでいる方の中には、発達障害の「グレーゾーン」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

このような「隠れアスペルガー」「グレーゾーン」という言葉は、「自分は発達障害ではないかな?」と検査に行っても、実際には発達障害の診断が下されず、発達障害に見られる軽度の症状が見られる方に対して用いられる言葉です。そのような方は、生活の中で生きづらさなどの支障を感じていることも多くあります。

この記事では、自分自身や周囲の方が発達障害なのではないか?と感じておられる方や、発達障害のグレーゾーンについてもっと情報収集したい!と思われている方におすすめです。

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アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群とは、自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)という発達障害の一つです。親の育て方が原因ではなく、感情や認知の部分による脳の異常だと考えられています。社会的な対人関係のやりとりが上手く出来ないといったコミュニケーションの問題、興味や活動の範囲が限定的で反復的あるといったこだわりなどの特徴を持っています。しかし、この2領域での困難があまりみられない、または特徴の一部がみられる方は「グレーゾーン」に当てはまる可能性があります。

アスペルガー症候群の具体的な症状に関しては、こちらの記事(「大人のアスペルガー症候群ってどんな特徴があるの?」)で解説しておりますので、ぜひ併せてご覧ください!

 

隠れアスペルガー症候群の特徴

隠れアスペルガー症候群の特徴-min

「隠れアスペルガー」や「グレーゾーン」とは診断名ではなく、発達障害のような症状はあるものの、障害と確定されず白黒つかない状態のことです。しかし、診断がつかない=症状が軽いというわけではありません。下記では、そのようなグレーゾーンの方にはどのような特徴があるのか、一例を解説していきます。

仕事の全体イメージを掴めない、段取りが取れない

発達障害と見られる傾向があると、自分なりのこだわりが強く、関心のあることに意識が向かうことがあります。そのため、仕事の全体イメージを掴めない、段取りが取れないといった問題が起こりやすいです。指示通りにやるよう言われても、注意力が散漫になってケアレスミスが多くなったり、不測の事態でパニックになったりすることもあります。このような場合は必要な作業をリストアップし、優先順位をつけるなどの対策が必要です。

漠然とした指示では理解できない

発達障害の傾向があると、言葉を文字通りに受け取ってしまったり、抽象的で漠然とした指示では理解できなかったりすることも多いです。そのため、自分が完璧と思えるレベルまで時間をかけて仕上げてしまうといったこともあります。ただ正確に仕上げる能力がないわけではないため、具体的に指示を出すとこちらがイメージした通りの仕事をやり遂げることもあります。しかしグレーゾーンの場合は、上司や同僚の協力を得られず、思うように力を発揮できないという状況に陥ることがあります。

好きな作業に集中しすぎる

自分の興味や関心があることに、過剰に執着するというのも多く見られる傾向にあります。仕事に関しても好きな作業には集中し過ぎるものの、逆に関心が持てない作業には必要な技術や知識を習得することが難しくなるといったことがあります。裏を返せば、集中できる分野には高いパフォーマンスを期待することができます。配属先を配慮してもらうことで能力を発揮できる可能性は高いのですが、グレーゾーンの方の場合は職場に協力を仰ぎづらいという問題もあります。

不用意な言動をしてしまう

発達障害の傾向がある場合、想像力の欠如により不用意な言動を取ってしまうことがあります。相手の立場に立って想像することが困難であることから、暗黙の了解や常識とされている礼儀などが抜け落ちている可能性があります。悪気なく不用意な言動をしてしまうなどを周りが理解しておくだけでも状況は変わりますが、グレーゾーンの場合は常識のない失礼な人と思われる可能性もあります。

口頭での説明が理解できない

発達障害の傾向として、言葉に対する理解力が低かったり、口頭説明が理解しづらかったりする場合もあります。そのため、文字や図で示された資料やマニュアルを使う、メールなどの視覚情報を用いて説明をすると理解しやすいことがあります。職場では本来そういった配慮が求められますが、グレーゾーンの方は周囲の協力を得にくいことから、対処が難しいことがあります。

 

アスペルガー症候群って治療できるの?

アスペルガー症候群などの発達障害は、先天的な脳機能の障害といわれています。そのため、大人になってから発達障害が発症するということはありません。また、アスペルガー症候群そのものに対する治療法はまだ存在しません。アスペルガー症候群の原因である脳機能の障害を改善する治療技術が、まだ確立されていないためです。そのため、治療の中心は次のような内容が挙げられます。 

病院を探す

生活や仕事で生きづらさを感じ、自分が発達障害かもしれないと感じた場合はどこに相談すれば良いのかと悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。アスペルガー症候群の診断や治療ができる機関は、精神科や心療内科、メンタルクリニックなどがあります。しかし、どの精神科や心療内科でも発達障害の診断ができるとは限りません。受診前にあらかじめ診療内容を問い合わせてみるのも良いでしょう。また、大人の発達障害を診ることができる医師はまだ少ないといわれています。インターネットや発達障害者支援センターなどで対応可能な機関の情報を確認したうえで、通院先を検討するのがおすすめです。

薬物治療を行う

アスペルガー症候群では、症状や特性とは別に「二次障害」の症状が起こることがあります。二次障害では、発達障害などの一次障害を原因とし、周囲からの理解を得づらい環境などから疎外感や無力感を抱き、うつ病、不安障害、ひきこもり等の症状を発症することが少なくありません。 薬物療法は、そのような二次障害に対する対症療法として用いられます。抗うつ剤や抗精神病薬、睡眠導入剤や気分安定薬、抗てんかん薬などの使用が検討されます。

支援機関に相談する

発達障害の診断が下らなければ、支援施設が全く利用できないというわけではありません次に挙げるものは、アスペルガーのグレーゾーンの方におすすめの相談先となります。お悩みの方は、ぜひ相談してみましょう。

発達障害者支援センター

発達障害のある方の自立と社会参加の支援を目的とし、医療から職業訓練まで一貫した体制で必要なケアを提供しています。保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら様々な相談に応じます。相談に障害者手帳は必須ではないため、グレーゾーンの方は受けられるサービスについて確認してみましょう。各センターの事業内容には地域差がありますので、詳しくはお住まいのセンターまでお問い合わせください。

障害者就業・支援センター

障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携のもと、就業面や生活面における一体的な支援を行うことを目的として全国に設置されています。相談自体は診断や手帳がなくても行える場合があるので、気になる方は問い合わせてみると良いでしょう。

精神保健福祉センター

医師や精神保健福祉士、臨床心理士などの専門家が在籍し、相談や情報提供、デイケアなど幅広い支援を通じて自立や社会復帰をサポートします。心の病気に関する困りごとの相談、医療機関や支援機関の情報提供、精神科デイケアなどのプログラムを行っています。

地域若者サポートステーション

仕事について困難のある、15歳~49歳までの方を対象とした、就労に向けた支援を行う機関です。障害のあるなしに関わらず利用可能で、就職するための訓練などを行うことができます。厚生労働省が委託した全国の若者支援を行える民間団体などが運営しており、「身近に相談できる機関」として、全ての都道府県、全国177ヶ所に設置されています。

 

アスペルガー症候群の適した職場環境は?

これまでアスペルガーのグレーゾーンの特徴や治療法などを解説してきましたが、周囲にそのような方がいる場合、工夫すべき職場環境としてはどのようなものがあるのでしょうか?人それぞれ働きやすい環境は異なりますが、できる限り要望を聞き、居心地よく働ける環境を選んでいくことが大切になります。次では、そのような職場環境づくりの例を挙げていきます。

自己完結型の仕事ができる

周囲と協力しながら作業するより一人で作業をする方が集中でき、仕事を進めやすいと感じられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方は、在宅でできる仕事だけでなくオフィスで勤務する場合でも、基本的に一人で取り組める時間が長い方がメリットが大きいといえます。ある程度の範囲は自分で判断して進められ、チェックは他の人にしてもらうなど工夫すると、仕事を進めやすいかもしれません。

臨機応変な対応が求められない

グレーゾーンの方は、2つ以上のことを同時にするマルチタスクな仕事が苦手である場合があります。対処法としては、シングルタスクで1つずつ仕事を進める方法が有効的です。1つのタスクが完了するまで、別のタスクには着手しないというルールを決めると良いかもしれません。シングルタスクであれば、途中で作業を中断せずに1つの仕事を行うことができます。高い集中力で仕事に没頭することができれば、作業の生産性が上がるのもメリットですね。

雑談を必要としない

例えば営業の仕事などは、たわいのない雑談から顧客との関係を作っていくことが多くあります。しかし、グレーゾーンの方は顧客と接するときにも何を話していいのかわからず、関係作りに難しさを感じることがあります。そのため、できるだけ雑談など他人とのコミュニケーションが重要ではない環境がおすすめです。

 

まとめ

〇アスペルガー症候群とは?

・自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)という発達障害の一つで、指示理解や対人関係などに特徴がみられる

〇隠れアスペルガー症候群の特徴とは?

・仕事の全体イメージを掴めない、段取りが取れない

・漠然とした指示では理解できない

・好きな作業に集中しすぎる

・不用意な言動をしてしまう

・口頭での説明が理解できない

〇アスペルガー症候群の治療法とは?

・病院を探す

・薬物治療を行う

・支援機関に相談する

1.発達障害者支援センター

2.障害者就業・支援センター

3.精神保健福祉センター

4.地域若者サポートステーション